■ときどき腹部に鈍い痛み 2013(H25)年5月頃
朝夕、毎日のようにウォーキングをしていた。
このところ、坂道になるとえらい(しんどい)、疲れる、横になることが多くなった。体重の減少もあった。
腹に痛みを感じることもあった。
若いころから胃の調子がよくなかったから、胃が悪くなったものと思っていた。
それでも元気印の妻、相変わらず活発に活動した。
■胃のあたりがおかしい KKR高松病院(高松病院)を受診 2013年6月27日(木)
7月7日からの北海道利尻・礼文への旅行を控え、続いている腹痛が気になり、高松病院を受診。
医師に、胃カメラのお願いをしたが、昨年9月にピロリ菌除去の治療と胃カメラを受けたことを伝えると、胃カメラは1年経過後の9月でいいと言われ、よく効くという胃薬(ムコスタ)を2週間分処方された。
希望した胃カメラが受けられず落胆、一抹の不安を感じた。
■北海道へ向かう飛行機内で失神 2013年7月7日(日)～10日(水)
7月7日、北海道へ向かう機内で待っていた。
次は自分の番であったが、横から若い女性が「私が先だった」と言って割り込んだ。がっくり、このとき失神した。
オホーツクの蒼き海にてそびえたつ利尻富士なる残雪近し
サロベツの原生花園をみなごの作りし芋もち熱々旨し
サロベツの原野に生うる水芭蕉エゾゆきうさぎ葉影に消ゆる
うみねこの泣き声のして目覚めたり利尻の夜明け午前の三時
(短歌誌『音』に掲載され、妻の遺歌集『花みづき』にも収録した歌) |
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| 礼文島 |
■胃のあたりの不快感は消えない 平和病院を受診 2013年7月12日(金)
高松病院で処方された胃薬を2週間服用したが効かない。北海道旅行から帰っても胃の不調が続く。
前々から行っている平和病院を受診し、胃カメラを希望し予約した。
■胃カメラなどに異常なし 2013年7月22日
平和病院で基本検診・胃カメラ・大腸がん検診などを受けた。
結果に異常なしとのこと。血小板の数値が少しおかしいと言われる。
以下の青色枠内は妻の「５年日誌」に記されていたこと。
「5年日誌」の1日分は6行。書かれていることはメモ書きの感が強い。
寝る直前、敷布団に座り、膝に日誌を置いて数分で書いていた。
走り書きだから判読できない文字が多い。判読できる部分を転載する。
| ○妻の５年日誌 2013.07.26(金) 猛暑 |
| *卓球1日目。3人ともよくにた者同志。2人とも結構うまい。毎週金の2～3じまですることにする。 |
(*卓球は妻が女性2人を誘って自治会公民館で始めた。2022年1月も続いている)
■2か月後のCT検査にがっくり 2013年7月30日(火)
血圧の薬をもらうため、高松病院循環器科を定期受診。
平和病院で、胃カメラ検査に異常なしと言われたことを伝えた。
腹部の異常、痛みを訴えたところ、整腸剤を処方された。
CTを要望すると、次回の受診日10月1日に撮りましょうと言われた。
体調不良が続くのに、検査が余りに遅くなることに不安を感じたが、早くしてくださいと言えなかった。
この時一瞬、このことが取り返しのつかないことになるのではないか、と不安に思った。
後々、これが一生の不覚とも言えることだったと後悔することしきりであった。
| ○妻の5年日誌 2013.08.04(日) |
5じにおき歩く。6じＮＨＫ短歌、ゆかりさんやはりステキ。
9:00 ひまわりの準備。その前にふれあいへ花をかいに行く。そうめんで昼食。
PM3じ～書、おしりに火がつくと一生けんめいする。 |
| ○妻の5年日誌 2013.08.05(月) うすくもあり 朝5じ半歩いている途中小雨ふり出しやめる |
8:40～*喫茶ひまわりの準備す。16+5人＝21人。安藤さん手作りの水ようかんとスイカ、ブドウ、抹茶、だがし。
PMコーラス |
(*「喫茶ひまわり」は自治会公民館で開く老人集いの場。2012年6月発足、2022年1月も継続開催している)
| ○妻の5年日誌 2013.08.09(金) 37.3度 |
猛暑の中を2じ～3じクーラーつけずに卓球。大分上手になった。3回目。
夕方、書少し。また目ぶりかえす。早くねる。きのうパソコンしすぎかも。
AM 2Ｆがすずしく短歌つくる He(夫)ハーモニカ先生宅へ 中級とか
ふとんカバー テーブルクロス洗う |
| ○妻の5年日誌 2013.08.14(水) |
夕方少し涼風たつ、ユーティリティがいつもほど暑くない
チーズケーキ作る。
PM書。雷鼓の原稿仕上げる。久々のメール送信、うまく着いてくれますように |
| ○妻の5年日誌 2013.08.23(金) 晴れ、夕方～くもり |
9じすぎ高松空港へ。(長女)と会う。
10:40 3人着く。大智(孫9か月)がすっかり大きくなって益々可愛くなる。
もう立ち上がるのだ。そして何でもよく食べる。
晃輝(孫4歳8か月)はやはりおにぎりだ。
卓球後COOP→恐竜展を見に行く。ぬり絵上手だ。 |
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(8月23日～27日、長女と長男の妻・孫2人が帰省。長女は25日まで。
| ○妻の5年日誌 2013.08.25(日) 大雨 |
①歌人にも書家にもなれない吾なれど今日もうたよみすみで字をかく
②？ ？ が得意のわれは今日から身辺せいりはじめむ
③長生きをのぞまむわれはいさぎよいこの世におさらばあとはよしなに
④この世には何の未練もありませぬどうかみなさんおすきにように
こどもの国へ・・・つかれた。長女3:30の飛行機で帰る、晃輝別れつらくて泣く。 |
| ○妻の5年日誌 2013.08.26(月) |
プールに行く予定が涼しくて中止。PM峰山のアスレチックコースへ。
私は体調悪く寝るつもりが、支度しているのを見てやっぱりついて行き、大智をみることに。
同じようにご主人が帰らず子供を連れて帰省している人に会う。
6じまえ前帰宅。ハンバーグとスープ、インゲンのゴマあえつくる。 |
| ○妻の5年日誌 2013.08.2７(火) |
朝ねすごしたら晃輝の方が早くおきていたのにびっくり。プレーランドまで散歩。に～に～せみとヤマバトが鳴いていた。東公園でバッタとる。
市民プールへ。昼食はもり家のうどん.。夜は久々におすし。 |
| ○妻の5年日誌 2013.08.28(水) |
こんやも12時～1じ、3じ頃目ざめる、5じおき。体重いがおきる。
一日コロコロ、ソファでねころびながら短歌仕上げて〒へ(5じ)
・・・ねころぶも体重し。
やっと10じ前おきてお風呂に入る。あす(病院？)に行こうかと思うほど・・つかれがたまっている。 |
| ○妻の5年日誌 2013.08.29(木) 暑さ戻ってくる |
日がさやはり気になって峰山までＨｅ(夫)にのせていってもらうもなし。
まだしんどく PMも3じまでソファでコロコロ。
3:30～書、漢字をかく。ステーキにする。 |
■肝臓に影がある 2013年8月30日(金)
腹痛が我慢できない状態になり、私がマラソンでお付き合いのある白石血管外科クリニックを受診。
腹部のエコーとレントゲン検査の結果、肝臓に影がある、血管筋脂肪腫だろうとのことで、肝臓に詳しい喜多医院を紹介された。紹介状と検査結果のCDを受領。受診日は9月10日となった。
| ○妻の5年日誌 2013.08.30(金) |
AM お腹左上方がいたい →He(夫)と白石先生へ
腹レントゲンと○○をとり、便が上の方につまっているとのこと 又肝臓に血のかたまりがある →喜多先生に紹介状かいてくれる
PM卓球す たのしい 書少し |
| ○妻の5年日誌 2013.09.01(金) 一日ふったりやんだり |
4じ半おき Heのお弁当つくる（しけんかんとく）
しんどくてAMソファでねる
PM 書少し（小） |
| ○妻の5年日誌 2013.09.02(月) 一日雨 |
AM 書中字*２×６
PM コーラス 肉じゃが作っていく 帰り大雨になる |
*２×６は書道紙のサイズ、2尺(60cm)×6尺(180cm)
| ○妻の5年日誌 2013.09.03(火) 一日雨、歩けた |
COOP 〒 コミュニティ、
PM ひるね 3:30～かく
お腹かなりいたい、特に食後 |
| ○妻の5年日誌 2013.09.04(水) 書の日 大雨の中ゆく |
先生ほめてくれる お手本えのくら先生のものをかしてくれる、コピーする。
2Fでトンカツ3人でたべる。
PM かくもむずかしい |
| ○妻の5年日誌 2013.09.06(金) はれ 少しむしあつさ戻る |
ひる〒で福上さんからお別れのハガキうけとる。何といい笑顔なのでしょう。又 文書がいい 涙ポロポロ出る。
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福上様のハガキ文を転載します。
ハガキには、御夫婦のほのぼの笑顔の写真。奥様の頭には大きなピンクの花飾り。
妻はこのハガキに感動し、何回も何回も読み返し、写真を眺めていた。
このようなお別れをしたいと思ったようです。
まだまだ暑い日々が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
突然のお知らせとなりますが、私、福上和子は、2013年7月28日に、「あの世」へと旅立つことになってしまいました。
生前は、大変お世話になり、皆様にお会いすることで、しあわせな人生を送ることができましたことを厚く御礼申し上げます。
これからは、天国で、大好きな園芸でもしながら、また数十年後に皆様とお会いできることを楽しみに待つことと致します。
皆様がお元気で、笑顔満開の日々を過ごされます様、「こちら」の国から、見守らせて頂きたいと思います。
ありがとうございました。
合掌 福上和子（代筆・福上家家族）
生前の住所： 〒761-8084 高松市一宮町 ・・・ 電話： 087-8 ・・・ |
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| ○妻の5年日誌 2013.09.08(日) |
朝4じ半おきる 5:20分 オリンピック「東京」に決まる 思わず拍手 なみだが出る。
He西条へ。
私一日書２×６なかなか先生に送るのができない。
が、大分元気になったと思う |
| ○妻の5年日誌 2013.09.09(月) 秋ばれ |
ふれあいでりんどうとゆり、ススキをかい ケーキやき →公民館へ
会場の準備 伊賀さんと安藤さんが手伝ってくれる パンやく
13じすぎCOOPへ 牧野さん(日本舞踊の先生)つれ集会場へ →わが家へ 4じ半すぎまで話しこむ |
■肝臓専門外来を受診 2013年9月10日(火)
白石医師から紹介された喜多医院を受診。ここは火曜日午後が肝臓専門外来。
肋骨の下の痛みは、肋弓(ろっきゅう)の痛み。これは自然に治る。
エコー検査の結果、肝臓に影があり、これは血管筋脂肪腫。
ほとんどが良性だが、もしものこともあるのでCTを撮りましょうと言われた。
高松病院で10月1日に予約のCT検査を9月20日に早める変更手続きをしてくれた。
| ○妻の5年日誌 2013.09.10(火) 晴れ 暑さ戻る 大井さんの講演会の日 |
COOPでかいものをして 10じ半空港へ出迎えにいく 岩崎荘で食事
15分前会場に到着 席もいっぱいになる
声は少しきこえにくかったけど内容はよかったと皆いってくれる
帰り佐々木さんもいっしょに家でコーヒーとケーキでお茶す
4:50～ 喜多医院へ 腹のいたい原因わかっても肝臓やはりＣＴ必要みたい |
 
9月10日、自治会公民館で講演会を開催した。講師は私の知人をつくば市から招いた。
このあと、喜多医院を受診した。
■妻の日常
| ○妻の5年日誌 2013.09.11(水) むしあつい一日 |
AM9:00～ 道の駅へ 伊賀さんに会う
帰って10頃からねてしまう
おきると12:00 おこのみやき ケーキやく
2:00～ 書かく
夕方 水やり ギョーザつくり |
| ○妻の5年日誌 2013.09.12(木) 又暑さ戻ってま夏日となる |
六萬寺あんだら 11人と少し 尾野さん休み おかし竹内さん
帰ってねる 4じにおき 1枚かいて 喜多医院へ 採血とCT予約表もらう
帰りマルナカでイカとタコとサケかう |
| ○妻の5年日誌 2013.09.13(金) むしあつい一日 32度 |
AM 野村美容院 前髪そめ直しで12じすぎまで
2じ卓球 あとCOOP 「祝敬老会」の横断幕をかく |
| ○妻の5年日誌 2013.09.14(土) くもり でも暑く30度 |
朝8じ前にふれあいへ 花かいに カサブランカ ススキ おみなえしかう。
NHK短歌(2F中華4人)
帰りマルナカにより リンゴ 梨 ぶどうかう りんどうも。
PMつかれてひるね ー 書少し 夜小字少し
しんどいし腹部おかしい |
| ○妻の5年日誌 2013.09.15(日) 朝３じ～ 雨ひどし |
10:00 あすの準備→かいもの→ケーキづくり
とりだすとき失敗、夜もう一度やきなおす
PM お腹痛む 息してもいたい位 |
(16日に自治会公民館で敬老会を開く予定)
| ○妻の5年日誌 2013.09.16(月)(敬老の日) 台風18号去る 台風一過 |
6じに公民館の前そうじするも 8:30 又 ちらかっている
10:00 開始 お茶とケーキ
10:20～おどり
11時前からハーモニカ ひと言
12:00～お弁当とペットボトル
お弁当まきすしだけたべる(食欲なし)
あと役員8人でお茶す |
| 自治会公民館で敬老会を開催した。このとき私は自治会長だった。 |
写真はクリックで拡大 |
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| 自治会敬老会 |
日本舞踊 |
踊るのは妻の知人 |
ハーモニカで歌う |
あと、役員でお茶 |
■MRI 検査、がんかも 2013年9月17日(火)
その後も痛みが強くなる一方。
連休が明けるのを待ちかねて喜多医院を受診。
再度、超音波検査と腹部レントゲン検査。
採血の結果を見て、この日緊急に栗林病院で腹部MRI検査となる。
その画像を喜多医院へ持参。膵(すい)臓のしっぽの方と肝臓に影があり、がんかも分からないと言われる。
肋弓(ろっきゅう)の痛み、血管筋脂肪腫と言ったのは誤りで取り消す、とのこと。
高松病院の消化器内科の医師を紹介された。
馴れ合ひの言葉行き交ふMRI室若き男女の技師と看護師
| ○妻の5年日誌 2013.09.17(月) |
8じはんすぎ、何も食べず、痛みをこらえ 喜多医院へ。
我慢できず、20日まで待てなかった。
胸レントゲン 腹レントゲン・エコーとる
血液検査の結果から、すぐ栗林病院にMRIの交渉をしてくださり、3:30栗林病院でMRIとる。
5じすぎ喜多医院で、その結果きく。
すいぞうに大きなしゅようが見つかる。肝臓と同じもの、悪性のうたがいが強いとのこと。
あさって高松病院のMD先生のCTおよび診察をうけることになる。
ショック！ ちょっと早い、いつまでこのふつうの生活ができるのか？ |
■明日、入院してください 2013年9月18日(水)
午前中はNHK文化センターの習字教室に出席。
このところ痛みをこらえ、時間があれば家でも熱心に習字に取り組んでいる。
書をかくときはいつもテレビをつけている。午後は毎日のように「相棒」がある。これを見ながら書く。
習字教室からの帰途、喜多医院に高松病院への紹介状をもらいに行く。
車中から私に電話があり、「明日、入院の支度をして高松病院へ行って下さい」とのこと。
それにしても明日入院とは！
まったく想像してなかったこと。数日は家に居られるだろうと考えていたのに。
これはもう癌に間違いない。
今日は平常の生活ができる最後の一日になるかもしれない。
大切にしよう。
想い出になる一日にしよう。
妻は今、車に乗り家に向かっている。
もうすぐ帰宅だ。
玄関に入るところを動画に撮ろう。
これまで、妻の声はまったく残ってない。声を残しておきたいと思った。
クルマを止め、駐車場の門扉を閉める音。
普段と変わりなく平然と玄関ドアを開ける。
構えたカメラに少し驚いた様子。動画とは分かっていないようだ。
習字だったので少しおしゃれをしている。
普通の写真も数枚撮った。
これまでも遺影と称してよく写真を撮っていたので、今日もそのように感じたようだ。
入院すればもう帰れないかも。
で、妻はあんだら話のことが気になる。
代表を代わってもらうことを電話で依頼している。
長電話になっている。話しながら涙や鼻をティッシュで拭いている。この場面も動画に撮った。
電話の後はすぐ習字。この様子も動画に撮った。
(この日の動画は妻の死後、10月21～23日の終活旅行の動画とともに編集した。妻を偲ぶ貴重な品となった)
夕食前、散歩に出た。
二人で歩くのは久しぶり。
最近は体調が良くないのに一人で朝夕よく歩いている。
やっぱり元気印の”ますちゃん”だ。
自治会役員の佐藤さんに敬老会の写真を届けた。
「今日は二人で散歩ですか」、に妻は「最後の散歩です」と答え、苦笑い。
自治会役員の安藤さんにも写真を届けた。
すい臓がんで明日入院と告げた。
「早く治して早く帰ってきて」と元気づけてくれるが、深刻さを受け止めてくれた方が納得しやすい。
散歩をしながら、葬儀のこと、遺骨のこと、墓のことなど、ざっくばらんに話し合った。
葬儀は無宗教の自由葬、遺影の周囲にはたくさんの花を飾り、音楽を流す。
懇意にしてくれた方々にお別れの話しをしてもらう。弔辞を言ってもうらう人の名前がたくさんあげられた。
花飾りのきれいな葬儀社を選びたい。葬儀社の会員になる。
遺骨は思い出の海、きれいな海に散骨を希望。私は小さな骨壷に入れて保管したいと話した。
香典はすべて辞退する。親族からは生花のみもらう。
祭壇の花飾りの代金は自分が出す。
夕食は妻の手作り。
おでん、さんま、大ダコの刺身など、テーブルの上にいっぱい。豪勢だ。
妻は「これが最後の晩餐かも」という。私も同じことを考えていた。
妻も小さいグラスにビールを入れ、乾杯。
何をしても最後のように思えてしまう。
入院したらもう家には帰れないだろう。それが現実かも分からないが、素直には受け入れられない。
（このときは、このように思っていた）
9月22日は自治会の一斉清掃日。
清掃のことと自治会長職務を副会長の伊賀さん夫妻にお願いした。
| ●妻の病床日記 2013,09.18(水) |
書の帰りに喜多医院へよる。
高松病院への紹介状もらう。明日、高松病院へは入院の準備をして行って下さいとのこと。
明日入院したら、もう帰れないのではないかとパニックになる。
今日初めてみてもらった２×６の作品もしあげたいし、あんだら、婦人会、原先生、長寿、？？などに、ことわりのTelする一方、入院の準備もする。
メールみて、子どもたちが帰ってくるというが・・・ |
| 「お母さんが明日入院です」 2013.09.18 22:00 メール 長男・長女へ |
肝臓と膵臓にがんの疑いです。
6月頃から体がだるい、しんどい、腹に違和感がある、階段を上がるのがえらい、すぐ横になる、といった状態でした。
無理をした、疲れだろうぐらいに思っていました。
高血圧を診てもらっている高松病院の先生も、次の検診日10月1日にCT検査をしましょう、と軽く考えていたようです。
胃かも、大腸かも、と検査をしましたが、どちらも異常なし。
次第に痛みが強くなり、8月30日にマラソングループの先生に診てもらいました。
痛むのは大腸とのことでしたが、腹部のエコーとX線検査。
検査で肝臓に影があることが分かり、肝臓専門の喜多医院を紹介されました。
喜多先生は画像を見て、高松病院のCT検査を9月20日に早めて予約してくれました。
連休中に腹の痛みが強くなり、連休明けを待ちかね、9月17日に喜多医院を受診。
すぐ栗林病院を紹介され、ここでMRI 検査。
本日、喜多先生はMRI画像を見て、明日、高松病院に入院となった次第です。
そんなときにもお母さんは元気印で大活躍でした。
10日 つくば市から講師を招いて自治会講演会を開催
12日 喫茶あんだら話を開催
16日 自治会の敬老会を開催(今年度、私が自治会長の関係で)
18日 午前中は書道教室。この帰途、喜多医院で入院を聞き、帰っては習字作品の仕上げ。
夕方、二人で写真を撮りながら散歩。夕食はおでん、さんまの塩焼き、タコの刺身など、ばっちり。
この他、短歌など、ほとんどが普段どおりです。
明日入院、重大な病気と分かっていても「なるようになる、しょうがない」とあっけらかんです。救われます。
明日、高松病院で担当医から説明があると思います。
こちらは、私がいますので大丈夫です。
急いでこちらに来ることもないです。
みなさん、体に気をつけて過ごしてください。
晃輝(孫)からはがきが届きました。
届いたことを言ってあげてください。 |
| 「Re：お母さんは明日入院です」2013.09.18 23:02メール長男・長女へ |
喜多先生は、MRIの画像、腫瘍マーカーからがんの可能性が高いとのこと。
膵臓ということと腫瘍の大きさから、かなり深刻と想像しています。
明日、高松病院の先生から説明があると思います。
本人はこのことを分かっていながら、表面上は深刻そうにはありません。
でも、どんな説明があっても受け止め、仕方ないと言っています。 |
■入院予定の日、肝臓と膵臓にがん 2013年9月19日(木)
妻は3時に起きて、習字の提出作品に取り組む。紙がなくなるまで書く。
入院前の夜は寝がたし筆をとり晶子の一首書き上げて寝む
再び寝床へ。久しぶりに抱き合う。いっしょに寝るのもこれが最後か。
でも、そんなことが現実のような気がしない。
これまで通りの毎日がまだまだ続くような気がする。
今朝も二人で散歩。御山公園まで歩く。スピードは以前と変わらない。
「秋だね、自然いっぱいの牟礼が大好き」
「来年も中秋の名月を見られるだろうか」
帰っても普段と同じ。家の周囲を丁寧に掃除。朝食の準備。
高松病院で消化器内科医師を受診：
喜多医院での検査結果と画像により、現在の病状と今後の治療方針の説明を受ける。
病状は：
肝臓に3cm大の腫瘍、膵臓尻尾部に大きい腫瘍がある。膵臓の腫瘍は見つけにくい。
膵臓は胃の裏側にあるので背中が痛むことがある。
腫瘍マーカーはVA19と高い。
膵臓がんが肝臓に転移したものと思われる。
膵臓癌のステージは4までの4。
治療は：
死期を延ばし、QOLを維持するものとなる。悪くなる一方で完治はしない。
手術も放射線治療もできない状態である。抗がん剤治療となる。
ジェムザール(塩酸ゲムシタピン)を使う。約10年前から使われていて効果が期待できる。
1週間に1回注射(点滴)し、数日間、効果・副作用などの様子をみる。
問題がなければ次の治療までの数日は外泊も可能である。
3週続けて治療し、造血力が弱くなるので1週間休む。これが1クール。これを続けて様子をみる。
週の最初を治療日にすれば、週の後半は外泊や自由行動も可能。生活に制限はない。
この治療の効果をみて、飲み薬「TS-1」に変えることもある。
もちろん、痛みに対する緩和治療は行う。
この治療で1年間延命できる可能性がある。
この日は、入院するものと思っていたが、明日9月20日にCT検査、連休中の21～23日は何もしないとのこと。
それなら、20日に外来でCT検査を受け、21～23日は家で過ごせるのではないか。
先生に相談した結果、入院は連休明けの9月24日(火)となった。
この日、入院を覚悟し、家に帰れることは全く予想してなかった。
家に帰れる、1年間の余裕もできた。二人はとてもうれしかった。
帰途、習字の紙をたくさん買う。まだまだ書く積りだ。
突然に命の終わりを告げられぬ余命一年夢であれかし
| ●妻の病床日記 2013,09.19(木) |
高松病院へ、MD先生の診察をうける。
約1年半とのこと(こうがん剤がきけば)、1ケ月か2ケ月かと思っていたので、ホッとする。
明日9/20、CTは外来でも可。
夫が交渉して本日の入院とりやめ、火曜日に入院することにする。
荷物もって帰る。 |
| 「間もなく病院へ向かいます」2013/09/19 10:07メール長男の嫁さんへ |
今日お昼過ぎの入院です。
まずは、(長男)と(長女)にと思って昨夜メールしました。
(長男嫁)さんには、先日二人の孫を連れて帰ってくれたことをとても喜んでいます。
晃輝と大智の顔を見られたことが何よりでした。
散歩をしながらもこのことをよく話します。
(長男嫁)さんにお礼を申し上げます。
入院とか病状は、まだ現実のものでないような気がしています。
眞須子(妻)は今朝3時に起きて提出する習字を書いていました。
今朝も二人で散歩をしました。
秋やなぁ、自然いっぱいのいい所やなぁ、などと普段と変わらないものでした。
でも、昨日の夕食では「これが二人で食べる最後の晩餐かもわからないね」と 言ったものです。
病状を理屈では、お互いに受け止めています。
次からはいっしょにメールします。 |
| 「入院は24日になりました」 2013/09/19 20:57 メール |
今日は家に帰ることが出来ました。
いつものように二人で夕飯を食べ、落ち着いたところです。
何でもないことですが、うれしいひと時でした。
午後、高松病院で病状と今後の治療について説明を受けました。
ここに、上の「高松病院で消化器内科医師を受診」のことを記した。
・・(省略)・・・・・・
4日間自由に過ごせることになったことをうれしく思い、得をしたような気分です。
お母さんは、病院からの帰りに習字用紙を購入しました。
今朝早くに書いて、発送の準備を終わっていたものを、明日以降さらに 練習するとのことです。
私は明日、ハーモニカの検定試験を受けるため西条市へ行きます。
こんな時ですが、お互いそれぞれにできることをしようということです。 |
| 「入院日時は24日10時です」 2013/09/20 17:24 メール |
入院日時は、24日10時です。
明日21日の高松空港着時刻を知らせください。 |
このようなメールのやり取りで二人の子供は、明日21日に帰ることになった
| ○妻の５年日誌 2013.09.20(金) |
CTの日
朝5じ半おき、6じHeと歩く。夫は8じ西条へ行く日
うっかりCT忘れて食べてから気づく、大失敗。10:00→13:30にのばしてもらう
13:30 CT
県庁の21Ｆでサンドイッチたべる。
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