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| ■二人が出会ったのは彼女20歳、私21歳の時だった | |||||||||||||
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この時、妻と出会ったころの資料が見つかった。 書棚に、「眞須子 座右の資料」と表示した菓子箱が２つあった。 妻が闘病中、身辺に置いて見ていたものだ。 妻の死後、私が書棚に片づけ、座右の資料と表示したものではあるが、この中を見ることはなく、そのままになっていた。 妻はどんなものを見ていたのか、初めてその中を確かめた。 最初に気付いたのは、私が若いころ彼女に宛てて出した手紙の数々。 この手紙と一緒に保管されていたのは、子や親しい人からの手紙、彼女の長期間にわたる日記などであった。 私たち二人が出会うことになったきっかけは、高松市内で開かれたユースホステル会員のクリスマスパーティだった 当時、彼女も私も時々旅行をしていた。 宿は、日本全国に数多くあり、安くて気軽な、ユースホステルを利用することが多かった。 その会員が集まり友好を深めるクリスマスパーティ。 パーティの最後に、各人が持ち寄ったプレゼントを交換する行事があった。 誰のものが誰に当たるか分からない。 ここで、私に当たったのは彼女が持参したものだった。 赤い帽子に２体の人形が納まっていた。 人形の後ろに彼女の手紙が添えられていた。 手紙には、s38.12.15.の日付と住所、氏名が記されていた。 このとき、彼女は20歳、私は21歳。 この人形は今も、整理ダンスの上に置かれた飾りケース内に鎮座している。 妻が亡くなったのは2014年2月15日、70歳だった。 亡くなる52日前に、妻が書いた[妻から夫にあてた手紙]の冒頭は次の一文だった。 「この50年間を貴方と一緒に生活できたことは、私にとって最高の幸せでした」。 この「50年間」というのは、彼女が私と出会った20歳のときから死亡する70歳までの年数である。 私は、まだ顔を合わせたこともない、その彼女「マコちゃん」に、手紙を出した。 これから文通が始まり、彼女24歳のとき、私と結婚するに至ったのである。 私が出した当時の手紙を、妻は闘病中、座右のものとしていた。 私が受け取った彼女の手紙も、大切なものとして、3階の屋根裏部屋に保管していた。 この日、久しぶりにその部屋で彼女の手紙を確認し、彼女が保管していた手紙の元へ下ろした。 どちらの手紙もその時以来、見ることのなかったもの。 いつの日か、これらを見ることになるだろうか。 これを見て、当時を思い出すのもいいだろう。 だが、これを見ることはないかもしれない。 内容はともかく、このことがあって、今日がある。その思い出だけで十分だ。 さて、どうなるだろう・・・
２枚の手紙
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| 「すずらんの歌」の作詞者、岩佐邦樹さんのこと | ||
| 2021年6月9日、岩佐邦樹さんの娘さんから電話があった。 岩佐邦樹さんはすでに死亡、今年が13回忌。 「すずらんの歌」は、お父さんの歌に間違いありません。 お母さんは、眞須子さんの名前を覚えていました、とのこと。 娘さんは、私のこのページに気付いてくれていた。 岩佐邦樹さんは、歌詞面に記されているとおり北海道の方だった。 彼女は当時、この方と連絡をとることがあったのだろう。 「すゞらんの歌｝は、情感豊かに乙女心をうたっている。 誰かが作曲し、誰かが歌っているのではないかと、ネットを調べたが見つからない。 この歌詞も見つからない。 昭和38年頃の歌である。 岩佐邦樹さんについてのわずかな情報を元に、2021年6月7日に手紙を出した。 そして2日後、娘さんから電話をいただいたのであった。 私たち二人が夫婦となるきっかけともなったこの歌。 およそ58年後の今、その作詞者を探し当てた。 妻も喜んでいるような気がする。
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